ワキガは悪化する
わきがの臭いは一定ではありません。私もそうですが、日によって臭いの種類が違ったり、強さが違ったりします。
昨日はカレーのような臭いだったのに、今日は生乾きみたいな臭いというように、日によって全然違います。これと同じように、ワキガは生活習慣など、様々な原因が絡み合い、悪化します。
昔に比べて臭いがキツくなった、デオドラントが効かなくなってきたというのは悪化の証拠です。
わきがが悪化する原因
- アポクリン汗腺の変化
- 常在菌の増加
- 手術
アポクリン汗腺の変化
ワキガの悪化で一番考えられるのがアポクリン汗腺の変化です。アポクリン汗腺とは、ワキガの原因になる汗腺のことですが、この汗腺の働きが活発になったり、汗腺そのものが大きくなったりすると、臭いが強くなります。
通常、アポクリン汗腺の成長は、成長期頃で止まります。ワキガになる人は成長期頃から臭いが出始め、臭いの強さはそのままキープされます。
しかし、知らず知らずのうちに汗腺を刺激してしまうことがあり、それが原因で臭いが強くなります。
ストレス
ストレスは体に大きな負担をかけ、汗腺を刺激します。びっくりしたり、焦ったり、不安になったり、緊張したりすると、手のひらや額、脇の下から汗がどっと出てきますよね。これは汗腺が刺激されている証拠で、臭いも強くなります。
また、日々の積み重なる疲れやストレスも汗腺を刺激し、ニオイを強くします。
現在はページが無くなっているのでご紹介できませんが、脇のニオイを調べる実験で、ワキガの人に精神的なストレスを与えたところ、7割以上の人がワキガ臭が強くなったという結果も出ています。
この「ストレス」とは、不安などのストレスだけでなく、焦りや緊張といった軽いものも含んでいます。
食べ物や嗜好品
汗は体内で作られますので、食べたものの影響もダイレクトに受けます。特に、動物性のタンパク質や脂質の多いものは体臭を強めることで知られています。
ワキガの場合、辛いものなどの刺激が強いものも注意です。辛いものを食べると汗腺が刺激されて汗がたくさん出ますが、これがわきが臭増加の手助けをしてしまいます。
また、お酒の飲み過ぎやタバコも同じく体臭を強くします。お酒を飲んだ後って体臭が酒臭くなりますが、これと同じでわきが臭もお酒やタバコの影響を強く受けるのです。
最近、小さい子供のワキガがかなりのペースで増えています。これは、食生活の欧米化が進み、小さいころから脂っこいものを食べる習慣が関係していると言われています。カロリーが高いものや乳製品の摂り過ぎ、脂のとりすぎは汗腺を刺激しますので、ほどほどにしておきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れると、汗腺も刺激されます。一番大きなホルモンの変化は思春期です。ワキガが発覚するタイミングで思春期が多いのがそのためです。
思春期を過ぎてからのホルモンバランスの変化といえば、ストレスや病気、妊娠・出産、更年期などがあります。特に、妊娠したと同時に片方の脇だけワキガになったり、更年期になってからわきが臭が強くなることも珍しくありません。
もともとアポクリン汗腺は、異性を惹きつけるためのフェロモンとしての働きをしていたと考えられています。ですので、ホルモンが変化する思春期や産後には、脇の臭いが変化しやすいのです。
常在菌の増加
ワキガの根本原因はアポクリン汗腺ですが、実はアポクリン汗腺から出る汗だけでは臭いません。アポクリン汗をエサにする常在菌が、臭いを発生させているのです。
常在菌とは、肌に住み着いている菌のことで、肌を守ってくれる働きをしています。脇に住み着く常在菌も同じような働きをしているのですが、困ったことにアポクリン汗が大好物で、エサとして食べてしまいます。
その汗を分解した時にワキガ特有の臭いが起こるのです。ですから、常在菌が増えると、ワキガも悪化するのです。
服の素材に気をつける
常在菌が繁殖する原因のひとつに、服の種類があります。化学繊維を使った服は、風通しが悪く、蒸れやすいです。特に、レーヨンやポリエステルなどの素材が使われた服を着るのは冬場が多いので厚着をしますよね。
厚着をすると、さらに熱がこもり、菌にとっては最適の空間になってしまいます。ですから、夏よりも冬は着る服に注意が必要なのです。
特に、1枚でとても暖かくなる「あったかインナー」系には注意したいところです。
ヒートテックなどの製品はとても便利ですが、わきがの人には向いていません。できるだけ綿などの風通しが良い素材を着るようにしましょう。
デオドラントを忘れない
常在菌は、肌を清潔に保ち続けないと増える一方です。お風呂に入ってもすぐに臭ったり、1時間ぐらい経つとワキガ臭が出始めるのは、常在菌が復活してきた証拠です。
お風呂に入っても常在菌を全てやっつけることはできませんから、出た直後に臭ってしまうこともあるのです。
ですから、殺菌効果のあるデオドラントクリームが必要になるのです。常在菌をしっかり殺菌すれば、脇が臭うことはありません。汗を分解する菌がいないわけですから、当たり前ですよね。
ただ、重要なのが殺菌効果の持続性です。塗ったその時だけ殺菌しても、時間とともに殺菌効果が無くなったらまた臭い始めてしまいます。デオドラントの塗り直しが必要なのはこのためです。
わきが用のデオドラントであれば、1日中塗りなおさなくても良い製品もありますので、試してみてください。私も愛用していますよ。
脇毛を生やしたままワキガ対策をする場合は、デオドラントは絶対に無香料のものを使いましょう。
脇毛はニオイを吸収する働きを持っているため、香料入りのデオドラントを使うと脇毛にそのニオイが移ってしまい、ワキガ臭と混ざってさらに悪臭になってしまいます。これもわきが臭増加の原因ですね。
手術はわきが臭を増加させる場合も
ワキガの悪化原因としてなかなか知られていないのが手術です。ワキガといえば、手術をすれば絶対に治るものと思っている人が多いですが、これは大きな誤解です。
わきが手術には危険性があることはご存知だと思います。傷跡が残ったり、皮膚のつっぱりや痛みなどは有名ですよね。その他にも、体臭が強くなったり、多汗症が酷くなったりすることもあるのです。
「どうせそんなの数%ぐらいなんでしょ?」と思うかもしれませんが、何かしらの副作用や不満点は必ず出ます。傷跡が大きかったり、ニオイが全然消えなかったりするのです。
また、わきが手術というのは、ワキガの臭いを100から0にするものではありません。良くても100から30ぐらいで、失敗すると逆に臭いが強くなってしまうこともあるのです。
ワキガ手術でアポクリン汗腺を取り除くと、今まで小さかった別の部位のアポクリン汗腺が発達し、チチガやスソワキガを発症・悪化することも珍しくありません。
それだけでなく、代償性発汗といって、脇の下の汗腺を取ったために、他の部位の発汗量が増えることも有ります。手汗だったり額汗だったりが増え、また大きな悩みになってしまうのです。
ですから、わきが手術は最後の手段として考えておくべきです。よく、「ワキガなら手術すればいいじゃん」と言う声を聞きますが、わきが手術をしたからといって、100%良くなるとは限らないのです。それどころか悪くなる例もありますので、よく考えてから治療に臨まなければなりません。
私の身内にもわきが手術をした人がいます。その人は手術をして後悔しています。脇の下の傷がかなり酷く、思うように肩が上がらないそうです。少し前の手術ですので、技術的にもまだまだだったのだと思いますが、それでもやっぱり後悔はしたくないので、私は手術を受けない道を選びました。
現代社会でワキガを悪化させないのは不可能に近い
今の日本で、ワキガを悪化させない生活を過ごすのはほぼ不可能です。
そもそもワキガというだけでかなりのストレスですし、「臭ってないかな?」と不安になるだけで体臭が強くなってしまうのですから、どうしようもないですよね。さらに食べ物に気を使ったり、嗜好品をやめたり、服の素材に注意してたら、さらにストレスが溜まって余計に悪循環です。
ですから、普通の人と同じようにう生活したいのであれば、本当に効果があるデオドラントクリームを使うべきだと私は考えています。
ワキガが悪化しても臭いを防いでくれる。そんなデオドラントを使えば、ワキガを気にせず、好きなものを食べて好きなものを着て生活できるのではないでしょうか。
また、効果が1日中持続してくれれば、塗り直しの必要もありませんし、「そろそろ臭ってくる頃かな・・・」と心配になることもありませんよね。
実際に私はデオドラントだけでワキガと20年間共に過ごしてきましたし、それで問題ありませんでした。本当に効果があるデオドラントクリームに出会っていない人は、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。